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月別アーカイブ: 2025年6月

第10回解体雑学講座

皆さんこんにちは!


株式会社ヒューマンライフ、更新担当の中西です。

 

 

 

解体工事の未来について:静かでクリーンな“次世代の解体”へ

 

 

 

前回は、解体工事における騒音・粉じん・廃棄物といった「環境問題」について深掘りしました。


今回は、それらの課題をどう乗り越え、未来の解体工事がどう進化していくのかについて一般的な市場での例を基にご紹介します。


◆ 1. 静音化・無振動化:都市の中で“静かに壊す”技術へ

 

都市密集地や医療施設周辺での解体工事では、静かに・揺れずに・迅速にが絶対条件です。

現在、以下のような技術が進化しています:

  • ワイヤーソー切断:コンクリートを水冷ワイヤーで静かに切断

  • バースター工法:中から圧力をかけて静かに割る

  • 油圧クラッシャー+ロボットアーム:遠隔操作による無人解体

壊す=騒がしい」というイメージを変え、**“夜でも眠れる解体”**が実現されつつあります。


◆ 2. スマート解体:ICT・AIを活用した施工管理

 

デジタル技術の進展により、解体現場も「スマート化」の波が押し寄せています。

  • ドローンによる事前測量・点検

  • 重機の自動走行・アーム精密制御

  • 施工進捗・安全情報のタブレット一元管理

AIが画像を解析し、危険箇所や解体順序を最適化する試みも進行中。
さらに、労災リスクの高い作業の自動化により、安全性の劇的向上が期待されています。


◆ 3. 廃棄物ゼロへ:再資源化の最前線

 

未来の解体工事では、建物そのものを**「再資源のかたまり」**として扱う発想が基本になります。

  • 鉄・アルミ・銅などの高価値資源の分別回収の強化

  • コンクリート破砕材の再利用(再生路盤材など)

  • 木材をパネル化し、再利用する「リユース建材事業」

さらには、「建てるときから“壊しやすさ”を考える
=**“デザイン for ディスアセンブリ(分解設計)”**という新しい建築概念も登場しています。


◆ 4. 人材不足と多能工化:未来の解体は“頭脳職”

 

解体業界でも人手不足は深刻。若手の離職率も高い一方で、重機・ICT・安全管理をこなせる“多能工”の需要は高まり続けています。

  • 重機操作 + 現場管理 + 簡単な機器修理まで行える職人

  • 施工だけでなく、分別・法令対応・書類作成ができる技術者

  • デジタルスキルを持った「次世代型職長

つまり、**解体職は「現場を読み・考え・提案する頭脳型職種」**へと進化しているのです。


◆ 5. 脱炭素解体:ゼロエミッションへの挑戦

 

最後に、地球規模の課題である脱炭素・カーボンニュートラルへの対応です。

  • 電動重機の普及(充電式・太陽光対応)

  • 運搬回数を減らす工事設計

  • 再資源化率100%を目指すゼロエミッション現場

こうした取り組みは、**「壊すことが環境負荷になる」時代から「壊すことが環境を守る手段」**となる未来を築きます。


◆ まとめ

 

解体工事の未来は、単なる“破壊”から“創造の準備”へ。
静かに、賢く、環境にやさしく。
現場の技術・人・発想がアップデートされることで、解体工事は都市再生の最前線へと進化しています。

そしてこの進化の主役は、現場を担う職人ひとりひとり。
解体工事は、過去を壊す仕事ではなく、「未来を築くための再設計」なのです。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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第9回解体雑学講座

皆さんこんにちは!


株式会社ヒューマンライフ、更新担当の中西です。

 

 

 

解体工事の環境について:現場と地域が向き合うべき課題とは

 

 

 

解体工事は、建築物の終わりを担う一方で、新しい都市づくりの出発点でもあります。


しかしその現場には、粉じん・騒音・廃棄物といった多くの環境問題が絡んでおり、住民・行政・工事業者の三者が「どう共存していくか」という問いを突きつけられています。

今回は、解体工事の現場で直面する「環境」に関する課題を、以下の4つの視点から詳しく解説します。


◆ 1. 騒音・振動:地域との共存が問われる

 

解体工事で避けて通れないのが、「音」と「揺れ」の問題です。

  • ブレーカーによるコンクリートの破砕音

  • 油圧ショベル・クレーンなどの重機音

  • 床・壁・基礎解体時の振動による住居被害

これらは、作業時間や機材選定によって大きく差が出る部分です。


現在では、下記のような対応策が広く取られています:

  • 作業時間帯の制限(8:00〜17:00等)

  • 防音パネル・防音シートの設置

  • 近隣説明会や案内チラシによる情報提供

地域住民とのトラブルを防ぐためにも、丁寧な事前対応と共感的な説明が、環境配慮の第一歩となります。


◆ 2. 粉じん・アスベスト問題:健康への影響と法規制

 

解体中に舞い上がる粉じんは、健康被害や視界不良の要因となる深刻な問題です。
特に問題視されているのが、**アスベスト(石綿)**を含む建材の解体作業です。

  • 1970〜1990年代に建てられた多くの建物にはアスベスト含有建材が使用されている

  • 吸い込むことで、中皮腫や肺がんの原因に

  • 法律により、事前調査と専門業者による適切な除去作業が義務化

 

また、粉じん対策として:

  • 散水・ミスト噴霧装置の使用

  • 防塵ネットの設置

  • バキューム車による場内吸引

などが実施されています。今や「見えない汚染」への対策が、業者の信頼を左右する時代です。


◆ 3. 廃棄物の分別とリサイクル:解体は“資源の分かれ道”

 

解体現場では、膨大な量の廃棄物が発生します。

  • 木くず・コンクリート・鉄筋・石膏ボード・断熱材・プラスチック

  • 電線・給排水配管・サッシなどの金属類

  • 住宅設備機器(浴槽・トイレ・キッチンなど)

これらを適切に分別し、リサイクル・再資源化することが義務化されています(建設リサイクル法)。

環境配慮型の業者では、廃棄物の:

  • 場内仮置きと色分け管理

  • 中間処理施設との連携

  • マニフェスト(管理票)による追跡記録

を徹底することで、循環型社会の一端を担っています。


◆ 4. CO₂排出・重機燃料:目に見えない環境コスト

 

重機・ダンプトラック・コンプレッサーといった機械の稼働には、多くの燃料が使われます。

  • 解体現場で発生する二酸化炭素(CO₂)排出量

  • 騒音・臭気の発生源としてのディーゼルエンジン

  • 粉じん以外にも、気候変動への間接的な影響

最近では「バイオディーゼル燃料の導入」「電動重機の活用」など、環境負荷低減への取り組みが始まっています。


◆ まとめ

 

解体工事の現場は、建物を“壊す”だけの作業ではありません。
地域の環境・人々の健康・未来の資源をどう守るかという多面的な課題を背負った現場です。

次回は、こうした環境をふまえた上で、今後の解体工事業界がどこに向かっていくのか、未来の姿を描いていきます。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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